諏訪ブログ

ディープに諏訪を案内するガイドのブログ
2024年7月2日 林 聡一

【林】「諏訪神仏プロジェクト〈公認〉ツアー」無事終了

「諏訪ブログ」では、SUWAエクスペリエンスのガイドが日々の経験や諏訪の面白いところなどをご紹介していきます。 まずは、林から。

すでに1ヶ月以上前になってしまいましたが、5月26日にSUWAエクスペリエンス(最近通称「スワペリ」と呼ばれてます(笑))の初ツアー「諏訪神仏プロジェクト〈公認〉ツアー」が無事終了しました。参加してくださったゲストのみなさん、応援してくださったたくさんのみなさん、本当にありがとうございました!

〈城向山瑠璃院 照光寺にて。ゆったりと仏さまと向き合う〉

ゲストの方々は諏訪地域はもとより、約半数は関東、東海地方など遠方からわざわざこのために来てくださいました。年齢は30代〜70代、男女比半々ぐらいで、想定した以上に「ダイバーシティ」に富んだ顔ぶれ。お一人お一人がそれぞれの興味領域を持ちながら、全体としては「同好の士」として緩やかに交流されて、グループ全体が終日とても良い雰囲気を醸し出していました。ツアーはお客さんご自身が作っているところが実は大きい、と感じた次第です。(いい居酒屋さんなんかでも感じるように)。

おかげさまでみなさん楽しんでいただけたようで、事後アンケートではほぼ満点の満足度をつけていただきました(涙)。

今回は、諏訪大社下社春宮、秋宮と、関係の深い4箇所の寺院を1日で巡りました。僕が選んだ訳ではないのですが、この中に僕の実家のある岡谷市(諏訪地域6市町村のひとつ)のお寺が3箇所入っていました。中でも照光寺さんは実家のご先祖のお墓があり、子供の時から境内で散々遊ばせていただいたところです。自分にとっては日常の馴染みのある景色が、外の方からは貴重なものとして見ていただける、自分もその価値を再発見する、そんな経験を僕自身がさせていただきました。 みなさんにとっても、いわゆる観光地ではないからこそ感じられるゆったりした時間の中で、貴重な文化財を拝観できたのは魅力的だったのではないでしょうか。

ガイドの石埜三千穂は40年来の友人で、これまで何十回も諏訪を案内してもらっていますが、一日中ずっと話を聞くのは初めてだったかもしれません。「一体どうなるのだろうか」というドキドキも正直なところありましたが、手前味噌ですが素晴らしかったと思います。今回スペシャルゲストとしてご参加いただいた仏像イラストレーター、文筆家の田中ひろみさんの仏像に関するお話は楽しく、わかりやすく、石埜との掛け合いも絶妙でした。

ツアー全体が、150年ほど前まで日本人が持っていた神仏習合の世界観を体験できるストーリーになっていたのでは、と思います。

参加したみなさんからは、

「諏訪信仰の大きなストーリーを感じることができた」

「シナリオ(ものがたり)に基づく行程デザインが良かった」

「諏訪のこと、仏像のこと、組み合わせてお話伺えたことでより様々なことが理解できて益々興味が沸きました」

といったお声をいただきました。みなさんの気持ちが少しでも動いたとしたら、これ以上嬉しいことはありません。

〈白華山 慈雲寺にて。美しい禅寺のお庭で〉

地元の新聞の一面に掲載していただいたり(びっくり!)と、滑り出しとしては順調でしたが、今回は「諏訪神仏プロジェクト」という大きな枠組みに乗せてもらい、たくさんの皆さんのご厚意で下駄を履かせていただきました。これからが本当に面白い企画を出していけるかどうかどうかの、挑戦です。

「ディープ諏訪好き」の方も、「そうでない方」も楽しみながら、少しだけ日常から離れて、自然?人間?歴史?自分?などなど感じたり、考えたりできる時間を作りたい。

諏訪はちょっと変わった(笑)、少し掘るとひどく面白いところです。 そしてこれからの季節、夏は日差しが強くてもカラッとして、気持ちいい。勝手に「今朝はカリフォルニアっぽいな」とか言っていますが、違うかな(笑)。夏の諏訪にぜひ、お越しください!

林 聡一

林 聡一

スワニミズム美術部、大昔調査会会員。広告・マーケティング会社を経て、SUWAエクスペリエンスを立ち上げる。事業を実施する「有限会社丸ト林商店」代表。全国通訳案内士、国内旅行業務取扱管理者。2022年「アートの歴史を変えた諏訪人」松澤宥生誕100年祭実行委員長。音楽、アート、日本酒、フェス、旅行をディープに楽しむのがライフワーク。